株主が有する権利の1つで,株式会社に対して自己の所有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる権利をいう。当該権利を行使できる場合については,会社法で定められている。行使できる場合の具体例としては,株式の譲渡制限をする場合,事業譲渡,合併等がある。
株式買取請求権は,上記の株主に重大な影響を与える会社の一部の行為について多数決で強制的に実現されてしまうことから,決議に反対する少数株主の利益を保護する趣旨で認められている権利である。
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株式の譲渡制限とは,定款で定めることによって株式を譲渡するにあたり当該株式会社の承諾を要するという制限のことをいう。本来,株式会社においては,株主は株式を自由に譲渡できるのが原則であるが,小規模な会社等においては,会社にとって好ましくない者が株主となることを防ぐ必要性があること等から株式の譲渡制限を定款で定めることが認められている。
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事業譲渡とは,会社の事業の全部または重要な一部を譲渡することをいう。会社の事業の全部または重要な一部を譲渡するには,株主総会の特別決議が必要である。
事業には,積極財産と消極財産が含まれる。積極財産には,不動産・設備・商品在庫・売掛金・知的財産権・のれん等がある。消極財産とは,借入金等の債務である。
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合併とは,複数の会社が1つの会社になることをいう。
合併の方式として,吸収合併と新設合併がある。