相続人は原則として、3つの方法を取り得ます。
まず、相続を単純承認するという方法があります。相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継します。すなわち、相続人の財産だけでなく、負債も承継します。被相続人の財産の総額が負債の総額を上回っている場合に単純承認するのが一般的といえます。
次に、相続放棄という方法があります。相続そのものをしないということです。
被相続人の負債の総額が財産の総額を上回っている場合には、相続を放棄するのが一般的といえます。この場合に単純承認すると相続人は最終的に負債を負うことになるからです。
相続を放棄した者は、初めから相続人にならなかったものとみなされます。
相続の放棄をしようとする者は家庭裁判所にその旨申述しなければなりません。
最後に限定承認という方法があります。これは被相続人の財産と負債を差し引きして、財産が多い場合にだけ相続するというものです。この限定承認は、相続人が複数いるときは、当該相続人全員が共同してしなければなりません。すなわち、相続人3人のうち1人が限定承認を拒否すると限定承認できないことになります。