まず,債権を回収するためには,相手方を訪問する等して,相手方が当該支払についてこれからどうするつもりかを聴取することが必要です。
その返済計画が,返済期の長短などから判断して,相手方の倒産リスクと照らし合わせて容認しうるものであれば,その旨を債務承認弁済契約書に残します。ただし,あまりに長い返済計画を認めてしまうとその間に相手が倒産してしまうリスクがあるため,弁済期の長さと相手方がどれくらい危ないかによってその弁済計画が容認できるかどうかを決定します。すなわち,相手方に期限の利益を付与するか否かについては,その倒産リスクを考慮して慎重な判断が必要になります。仮に期限の利益を認める場合,期限の利益喪失約款を設けることは必須です。
債務承認弁済契約書があれば裁判になったときにも当該債権が認められる方向に働くので,少なくとも,そもそも契約書を作っていなかった場合等にはより重要性が高いといえます。
また,相手方が支払をしなかった時点で新たに担保を要求することも重要です。支払を停止している相手方に対してならば担保の設定を請求することも契約締結当初よりは心理的側面からしやすいといえます。手形のジャンプを求められた時等にも担保の設定と引き換えにすることが考えられます。
裁判との関係では,当然ながら請求書や督促状,残高確認書,債務承認弁済契約書等の書面は保存しておくことは重要です。