単元株とは,株式の最低販売単位のことをいう。株式を発行する企業が1単元の株式数を定めるが,1単元の上限は1000株である。
単元株制度とは,株式の売買を単元株の整数倍で行う制度をいう。会社は定款に定めることによって単元株制度を設けることができる。
単元株制度を採用している会社においては,1単元につき1個の議決権が認められており,原則として1単元未満の株式では議決権を行使できない。例えば,1単元100株と定められている会社において,50株しか持っていない株主(このように1単元未満の株式を持つ株主を単元未満株主という)は議決権を行使できない。
ただし,単元未満株主は,残余財産分配請求権,単元未満株式の買取請求権,株式無償割当を受ける権利等の権利を有する。
単元株制度は,発行済み株式が膨大な場合は管理費用も膨大になることから,その負担を軽減する意義がある。
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残余財産分配請求権とは,株主が有する権利の1つで,会社が解散する際にすべての負債を返済した後の残った財産について,持ち株比率に応じて,財産の分配を受ける権利をいう。
企業の総資産より負債の方が多かった場合は,財産の分配はない。
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株式買取請求権とは,株主が有する権利の1つで,株式会社に対して自己の所有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる権利をいう。当該権利を行使できる場合については,会社法で定められている。行使できる場合の具体例としては,株式の譲渡制限をする場合,事業譲渡,合併等がある。
株式買取請求権は,上記の株主に重大な影響を与える会社の一部の行為について多数決で強制的に実現されてしまうことから,決議に反対する少数株主の利益を保護する趣旨で認められている権利である。
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株式の無償割当とは,株式会社が株主に対して持株比率に応じて無償で当該株式会社の株式を割り当てることをいう。すなわち,株式会社が既存の株主に対して持株比率に応じて無償で株式を取得させる制度である。
株式会社は株式の無償割当をする際は,①株主に割り当てる株式の数又はその数の算定方法,②株式の無償割当がその効力を生ずる日等を定める。