債権とは,特定の人に対して,特定の行為を請求できる権利をいう。債権を持つ人のことを債権者という。
債務とは,特定の人に対して,特定の行為をしなければならない義務をいう。債務を負う人のことを債務者という。
例えば,AがBにお金を貸し付けた場合,貸主Aは,お金の支払いを請求する権利(債権)を持ち,借主Bはお金を返済するという義務(債務)を負う。この点では,Aは債権者であり,Bは債務者である。
次に,CがDに車を100万円で売るという契約が成立した場合,CはDに車を引き渡す義務(債務)を負い,DはCに車の引き渡しを請求する権利(債権)を持つ。すなわち,車の引き渡しに関しては,Cが債務者で,Dが債権者である。これに対し,CはDに100万円の支払いを請求する権利(債権)を持ち,DはCに対して100万円の支払義務(債務)を負う。すなわち,代金の支払いに関しては,Cは債権者,Dは債務者である。